The Japanese Team Members
日本チームが大きくなり、より多くのクライアントにサービスを提供するようになったころ、韓国語→日本語から英語→日本語へと重点が移っていった時期に、日本チームのリーダーを引き継ぎました。日本チームの実績として、アメリカの暗号資産取引所Coinbaseのローカライゼーションマネージャーから、次のような感想をいただいています:「カルチャーフリッパーは、日本語を含め、対応しているすべての言語において、依頼側が見直す必要のない、そのまま出版できるレベルの翻訳を提供してくれます」
音楽と言葉をこよなく愛する異色の経歴の持ち主で、3歳でピアノを始め、ヤマハジュニアピアノコンクールでは最優秀賞にも輝きました。ところが、15歳でソニー・ロリンズに心を奪われ、演奏楽器がピアノからサックスへと変わります。大学時代に所属していたビッグバンドはヤマノ・ビッグバンド ・ジャズ・コンテストで5位入賞を果たし、カリフォルニアに住んでいたときにはSoCal Jazz Academyでジャズを学びながら、週末にはレストランでライブ演奏を披露していました。日本に拠点を移した現在も、ときどきステージに出演しており、楽器の練習に余念がありません。
最初に言語に興味を持ったのは、8歳のころ。父親の仕事の関係でアメリカに渡り、英語をまったく知らないまま現地校に放り込まれた経験から、言葉の大切さを身をもって実感しました。慶應義塾大学の法学部に進学したものの、言葉と文学への興味は止まりませんでした。六法全書ではなく英語やフランス語の本を持ち歩き、卒論のテーマには「三行半(みくだりはん)」を選択。江戸時代の離婚法を文学的に解釈したその内容は、まるで文学部の生徒の卒論のようでした。
大学卒業後は日本の広告代理店でライター、コピーライターとしてキャリアを積み、その後ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントに転職。番組編成や番組購入、オリジナル番組の製作など、幅広い業務に携わりながら、プロジェクトマネジメントのスキルを身につていきました。当時は、人気テレビシリーズ『CSI:科学捜査班』のテーマ曲をアレンジしてプロモーションで活用したり、最新テレビシリーズの邦題やマーケティングコピーを考えたりするなど、言語や音楽への興味を活かせる仕事を楽しんでいました。
井上 大剛(Lead Japanese Language Expert)
日本チームのコアメンバーで、その初期の段階からカルチャーフリッパーに参加しています。
国際基督教大学(ICU)で言語教育を専攻し、授業の半分ちかくが英語で行なわれる環境で、英語と母国の両方を通じて学問の知識を深めながら、国際的で多様な視点を涵養。留学生に日本語を教えたり、翻訳の講義を受けたりしつつ、とくに原文の細かいニュアンスを日本語で表現することに情熱を注ぎました。
大学を卒業後は、翻訳会社で校閲者、出版社で編集者として活躍。その後、翻訳者として独立し、共訳を含め、10冊以上の訳書を出版しています。以下に、その一部をご紹介します:
リード・ホフマン著『ChatGPTと語る未来:AIで人間の可能性を最大限に引き出す』
(Impromptu: Amplifying Our Humanity Through AI by Reid Hoffman);
ジョン・クラカワー著『WILDERNESS AND RISK:荒ぶる自然と人間をめぐる10のエピソード』
(Classic Krakauer: Essays on Wilderness and Risk by Jon Krakauer);
アレクシス・ウィレット著『DRINK:あなたが口にする「飲み物」のウソ・ホント』
エリック・シェイファー著 『インダストリーX.0』
(Industry X.0: Realizing Digital Value in Industrial Sectors by Eric Schaeffer);
アンソニー・マクカーテン著 『ウィンストン・チャーチル:ヒトラーから世界を救った男』
(Darkest Hour: Best Original Screenplay by Anthony McCarten)
カルチャーフリッパーの多くのメンバーと同じく、たいへんな読書家で、年間100冊以上の本を読みます。自宅の書斎の床が、何千冊もの本の重さで沈んでいるほど。そして、本と並んでその人生になくてはならないのが、武道です。柔道や空手などの修行歴は10年以上。とくに空手は、発祥の地である沖縄で2年学んだ後、現在でも自ら研鑽を続けています。
桂 由貴(Japanese Copyeditor & Project Coordinator)
日本チームのコピーエディターとして、カルチャーフリッパーが提供する高い品質に対し、責任を担っています。日本ユニ・エージェンシーで文芸エージェントとして8年務めたあと、世界的に著名な日本人作家のアシスタント業務を13年担うなど、出版業界で20年以上のキャリアがあります。
文章や言葉に愛着があり、「活字中毒」を自覚していて、本が手元にないと不安になるほど。これは、カルチャーフリッパーの活字を愛するデジタルノマドたちに共通する特性でもあります。
スイスのバーゼルで生まれ、幼少時代をヨーロッパで過ごしたことは、学生時代の過ごし方にも大きな影響を与えたようです。ドイツ語、スペイン語、ラテン語、イタリア語、フランス語など、さまざまな語学の授業を受けるかたわら、音楽学を専攻し、大学院時代にはオーストリアのウィーンに留学しました。とくにバッハへの想いは強く、在学していた国際基督教大学(ICU)ではパイプオルガンのレッスンを受け、最終学年には学内の教会で「前奏曲とフーガ イ短調」や「トッカータとフーガ ニ短調(ドーリア調)」を演奏しました。その後、学びの場を東京大学大学院に移し、「〈音楽の都ウィーン〉再考: 1800年前後の路上の音楽をめぐって」という題の修士論文を書きました。現在、音楽への愛は多少形を変えましたが熱量は変わらず、BTSのARMYでもあります。
興味関心は多種多様で、本、音楽、ドラマ、語学学習に加え、料理も大切な趣味です。最近は韓国料理教室に通い、チャジャン麺や冷麺、参鶏湯、味噌チゲ、キムチチャーハンなど、次々とレパートリーを増やしています。ほかにも、ジョギングをしたり、金継ぎクラブに参加したりなど、興味は際限なく広がっていくようです。